良書である。
J.C.オカザワ氏が「庶民」であるかどうかは別として、であるが。
彼のガイドブックの良い点は、常に「是々非々」の姿勢が貫かれているところ。
「辛口」を過剰に自任するライターの中には、ほかのグルメ・ジャーナリストが褒めた店を、わざと徹底的に貶めるような輩がいるが、オカザワ氏はそうではない。
山本益博が褒めた店であれ、犬養女史がお気に入りの店であれ、ダメな店はダメだろうが、良い店は良いのだ。
また、この人の取材は徹底的に自分の足で行っており(今回はサテライトを使用しているとしても、だ)、某辛口評論家のように「「東京カレンダー」と「おとなの週末」に取り上げられていたので、アラを探しに訪れてみた」というようなスタンスではない。
であるから、全く知らなかったような店が多数掲載されているのも、大きな長所である。
「竹葉亭銀座店」が三つ星? 麻布十番の洋食「EDOYA」や築地の天ぷら「黒川」なんかはもっと評価が高くても良いのでは? なんて思うが、まあこれも、評論とはあくまで「主観的」なものであるから。
「公平中立的、客観的な評論」など、この世には存在しないのである。
オカザワ氏との意見の相違を楽しむのも、また一興であろう。

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庶ミンシュラン―庶民のための東京グルメガイド 単行本 – 2008/2/29
J.C.オカザワ
(著)
- 本の長さ255ページ
- 言語日本語
- 出版社グラフ社
- 発売日2008/2/29
- ISBN-104766211308
- ISBN-13978-4766211306
登録情報
- 出版社 : グラフ社 (2008/2/29)
- 発売日 : 2008/2/29
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 255ページ
- ISBN-10 : 4766211308
- ISBN-13 : 978-4766211306
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,633,706位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 232位東京のレストランガイド
- - 631位その他のレストランガイドブック
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2008年3月28日に日本でレビュー済み
JCオカザワ氏の本に共通するのは、評価が全く当てにならない点。実は10年前に彼のNYのレストランガイド本を買ったことがあるのだが、これまた全く当てにならないもので、とりわけ、彼が薦めるイタリアンにはひどい店が多かった覚えがある。きっと全く趣味が異なるのだろう。彼の本でも評価できる点がある。それは、ファザードから躊躇して入らないような店も果敢にトライしている点。それ故、他のいかなるガイド本、ネットでの口コミもないような店の情報が手に入る。そのおかげで、良い店にめぐり合う事も出来たりする。そのためだけに、ついつい彼の本を買ってしまうのだが。
2008年8月18日に日本でレビュー済み
高級店ばかりが名を連ねる本家「ミシュラン」は所詮高嶺の花。
だったら“庶民の庶民による庶民のための”ミシュランを、というのがコンセプトらしい。
その意気やよし!
しかし…。
飲んで食べて一人8,000〜9,000円が“庶民”だと言われると、はたと考え込んでしまうのでした(しかも私の場合、8,000〜9,000円と書いてあったらい確実に1万円超え間違いなしだ)。
少なくとも私の庶民感覚でないことだけは確かです。
あえて言うなら“アッパーミドル”階級向けのミシュランでしょう。
とは言え、それほどビッグネームではない興味深いお店が数多く掲載されているので“庶ミン”の部分を除けば楽しい本かもしれません。
それにしても、これだけ“格差”の拡大が問題化する中で、8,000〜9,000円を平然と“庶民”の食事だと言ってのける人々の感覚がにわかには信じがたいところ(それは決して彼らが“庶民”ではないからなのですが)。
ま、庶民の年に1度のぜいたくだ、と言うのなら分からないでもないですが、1年に1度のためにこの本を買うかというとちょっとね〜。
何をもって“庶民”だと言っているのか分かりませんが、個人的な感覚で言うとせめて「5,000円」内に収めて欲しいところです。
これならたいがいの人が月に1度くらいなら何とか行こうと思えるでしょ?
金額の差は3,000〜4,000円なれど、その差の精神的な重圧感がいわゆる庶民感覚というものです。
だったら“庶民の庶民による庶民のための”ミシュランを、というのがコンセプトらしい。
その意気やよし!
しかし…。
飲んで食べて一人8,000〜9,000円が“庶民”だと言われると、はたと考え込んでしまうのでした(しかも私の場合、8,000〜9,000円と書いてあったらい確実に1万円超え間違いなしだ)。
少なくとも私の庶民感覚でないことだけは確かです。
あえて言うなら“アッパーミドル”階級向けのミシュランでしょう。
とは言え、それほどビッグネームではない興味深いお店が数多く掲載されているので“庶ミン”の部分を除けば楽しい本かもしれません。
それにしても、これだけ“格差”の拡大が問題化する中で、8,000〜9,000円を平然と“庶民”の食事だと言ってのける人々の感覚がにわかには信じがたいところ(それは決して彼らが“庶民”ではないからなのですが)。
ま、庶民の年に1度のぜいたくだ、と言うのなら分からないでもないですが、1年に1度のためにこの本を買うかというとちょっとね〜。
何をもって“庶民”だと言っているのか分かりませんが、個人的な感覚で言うとせめて「5,000円」内に収めて欲しいところです。
これならたいがいの人が月に1度くらいなら何とか行こうと思えるでしょ?
金額の差は3,000〜4,000円なれど、その差の精神的な重圧感がいわゆる庶民感覚というものです。