この著者の本は以前から読んでいたが、この本は見落としていた。読んでみて、もっと早く読んでおけばよかったと思った。独裁国家・北朝鮮にどこか似たところがある今の日本、警察はなぜパチンコや風俗業界に甘いのか。メディアやマスコミのあまりに酷い人権侵害・愚民化報道、民主党がきちんと政策を打ち出さないと二大政党は機能しない、官のコスト意識を高める必要性、進む学力低下と全く中身のない「教育再生会議」など、今の日本で本当に悪いのは何か、何を変えるべきか、説得力のある主張が光る。要所では実名を挙げて本当の「売国奴」を告発し、タブーとされる事柄にも逃げずに挑む姿には頭が下がる思いがする。この本が出る前、雑誌連載の時からのタイムラグもあるので安倍内閣にはこうしたことを期待したい、といった所のように今やもう悲しささえ感じさせる部分もあるが。
個人的には中国に対して若干姿勢が甘いように思われ、(相手がどうであれ、明かな濡れ衣に対しては毅然とすべき。そうできなければ日本製品のシェアを維持しても結局は無意味では?)また、軍事関係も具体性が不足気味(不況時の軍拡というが、ムダを減らせばむしろ防衛予算は減らせると清谷信一氏は主張している。軍拡と自衛隊の戦力化とは違う)。愛国心教育についても他の諸外国がどのような愛国心教育をしているかの比較がなく、日本には「国家反逆罪」という罪状がないという事実などが書かれていないのでちょっと説得力が不足気味。
それらの惜しい点はあるが、この本に書かれている著者の主張は本当によくないのは何かを見通した「覚悟」の名に恥じないものばかりだ。今からでも遅くはないのでぜひ一読をおすすめする。

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この国を思えばこそ、覚悟を決めて言っておきたい: 和田秀樹の日本をよくする23の大胆提言 単行本 – 2007/5/1
和田 秀樹
(著)
- 本の長さ221ページ
- 言語日本語
- 出版社ルックナウ(グラフGP)
- 発売日2007/5/1
- ISBN-104766210697
- ISBN-13978-4766210699
著者について
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1960年大阪府生まれ。東京大学医学部卒。東京大学医学部付属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学学校国際フェローを経て、現在は精神 科医。国際医療福祉大学教授。ヒデキ・ワダ・インスティテュート代表。一橋大学国際公共政策大学院特任教授。川崎幸病院精神科顧問(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『「できる!」と強く信じればあなたは9割成功している』(ISBN-10:4860813502)が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
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2008年11月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2007年7月14日に日本でレビュー済み
精神科医である和田秀樹氏の本だが、妙に人を惹きつけるやけに長いタイトルが気になり本書を購入した。数時間で読める分量だが、さすがに「大胆提言」だけあって、彼なりの主張を思い切り展開している。なかなか考えさせられる。政治・外交問題を論じた箇所よりも、「メディアの偽善・欺瞞」を糾弾した第4章や、「本気の教育再生」を真っ向から扱った第5章が特に印象的であった。中学生と高校に卒業試験を設けて、「どれだけの時間を割いたかより、ちゃんと身についているかどうかをチェックするシステムが必要だ」(209頁)という見解には同意したい。日本の学力がアジア最低という憂慮すべき事態であることも大いに気になるところだ。「学力低下」という深刻な社会問題(しかもそれがトレンドになっている)を抜本的に解決することはたいへん難しいことではあろうが、今以上に中身に濃い活発な議論が行われることを心から期待する次第である。和田秀樹氏らしい「舌鋒」が随所にみられ、それはそれで痛快でもある。「もっと柔和な表現をしてはどうか」という読者もいるに違いないが、そこは本書のタイトルに免じてあえて問わないでおこう。本書の発言をめぐって異論反論さまざまに飛び交うことが予想されるが、それは本書が有するインパクトに他ならない。まずは一読を薦めたい。